高い顧客満足とサービスの効率化という、相反する命題に対して、独自の工夫で強みを伸ばしてきた8社の取り組みを紹介した本。
8社に共通しているのは、マニュアルやITを導入した目的は、あくまでハイタッチな接客を増やしたり、顧客の利便性を高めるためであって、結果的にそれが効率化につながっているということ。
改善の過程で、現場の声を積極的に吸い上げたり、KPIを設定したりするのはよく聞くが、異業種の視点を取り入れている指摘は、とても参考になった。
本書は、サービス工学の専門家である著者が、初めて一般向けに書いた本だという。
全体的に、学者らしい無難な抑揚のない筆遣いなため、論理的でわかりやすい反面、最も重要なことがさらりと書かれてあったり、角度を変えて同じことを説明して重畳な面がある。あと、頑張っている現場の人の生の声を紹介してほしかった。
《紹介されている8社》
・加賀屋(接客時間を増やすバックヤードの仕組み)
・スーパーホテル(ぐっすり眠れるホテル作り)
・えちぜん鉄道(廃線寸前からサービス業へ)
・ヤオコー(地域密着スーパー)
・一の湯(人時生産性を指標に)
・喜久屋(クリーニング屋が衣服の保管業まで)
・大垣共立銀行(気軽に立ち寄れる銀行)
・バロー(小売業から流通業へ)
今度、出張に行くときはスーパーホテルに泊まってみようと思った。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ビジネス・経済
- 感想投稿日 : 2010年12月5日
- 読了日 : 2010年12月5日
- 本棚登録日 : 2010年12月5日
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