プロローグに登場する周氏、元香港経済界の大物であり、汚職の罪によって死刑判決を受けた人物。その周氏に対するインタビューから物語はスタートする。死刑判決を受けた受刑者が10年も経たずに自由に活動していること自体が驚きであり、中国という国を象徴している。
富坂氏のルポは、中国が抱える問題点の中で、「環境」「水不足」「汚職」「格差」などを取り上げている。いずれも解決策を見出すことができない深刻な問題であり。これらの問題は、中国の国内問題ではなく、日本にとっても避けることのできない国内問題だと指摘している。偏西風と海流は、否応無く中国と日本関連付ける。黄砂やPM2.5、さらに鳥インフルエンザなど、我々の日常生活にも直結する課題が山積している。
これらの問題を解決するために、中国が経済活動を犠牲にしてでも規制を強化することは、考えられないことであり、巨大にして制御することが困難な「大国」とどのように付き合っていくか、他人事ではなくなっている。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2014年2月4日
- 読了日 : 2014年2月4日
- 本棚登録日 : 2014年1月10日
みんなの感想をみる