中国という大難 (新潮文庫 と 26-1)

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  • 新潮社 (2013年4月27日発売)
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プロローグに登場する周氏、元香港経済界の大物であり、汚職の罪によって死刑判決を受けた人物。その周氏に対するインタビューから物語はスタートする。死刑判決を受けた受刑者が10年も経たずに自由に活動していること自体が驚きであり、中国という国を象徴している。

富坂氏のルポは、中国が抱える問題点の中で、「環境」「水不足」「汚職」「格差」などを取り上げている。いずれも解決策を見出すことができない深刻な問題であり。これらの問題は、中国の国内問題ではなく、日本にとっても避けることのできない国内問題だと指摘している。偏西風と海流は、否応無く中国と日本関連付ける。黄砂やPM2.5、さらに鳥インフルエンザなど、我々の日常生活にも直結する課題が山積している。

これらの問題を解決するために、中国が経済活動を犠牲にしてでも規制を強化することは、考えられないことであり、巨大にして制御することが困難な「大国」とどのように付き合っていくか、他人事ではなくなっている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2014年2月4日
読了日 : 2014年2月4日
本棚登録日 : 2014年1月10日

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