女子高で起きた殺人事件を発端にして6人の女子高生の生活を6方向から見ながら物語は進んでいく。
面白いのは、事件が中心にあるのか、ないのか。。。
多分、実際に身近(校内)で殺人事件が起こったとしても、直接の関係者でもなければそれを生活の中心にもってくるような人はいないだろう。
しかも、大小さまざまな事件(出来事?)で彼女たちは精一杯なのだ。
そういった意味ではとても現実的な目線だと思う。
しかし、純粋にミステリを読みたい人には「何ウダウダしてんだ、さっさと事件を解決しろいっ!」とじりじりとするかも知れない。
しかも解決するのは15年後、メンバーの一人の結婚式の場面においてだ。
私立の女子高というのは、経験していない者にとっては未開のジャングルのように思いも付かないような雰囲気をもっている。
その中で彼女たちが学校や友達とどう関わり、どう感じ、どう育ったか。
とても生々しく描かれているかと思う(私も未経験なので…)
短編集だと思って読み始めたら、6章に分かれた長編だったので、結局のところ読み通してしまった。
事件の解決というより、彼女たちのそれぞれの個性も面白いし、正直な気持ちの変容に読み入ってしまったという感じ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリ
- 感想投稿日 : 2008年9月10日
- 読了日 : 2010年7月19日
- 本棚登録日 : 2008年9月10日
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