私は今まで資本論を2回読んだけれど、よくわからなかった。
私の場合はじめの方が読みやすいと感じてうしろの方になるにしたがってなんだか味気なく計算式もよくわからずもう流しているだけで終わった。はじめの方の理解は柄谷行人の作品で親しみがあったのが大きいのだろう。
佐藤さんによるとうしろの方はエンゲルスの文体らしい。エンゲルスの文体は味気ないということか・・・。マルクスの計算も彼は数学が苦手で四則演算のみで間違いも多いという。
それでなんだか読んでいるうちに感じていた違和感の理由はわかった。資本論第四巻にあたる剰余価値学説史を読んでみたく思った。
資本論を読んでいてよくわからなかったが印象だけは持った。それはマルクスの別の作品でヘーゲル法哲学批判序説というものがあり、そこに宗教の批判という部分がある。
●宗教の批判は、人間が人間にとって最高の存在であるという教えでもって終る。したがって、人間が貶められ、隷属させられ、見捨てられ、蔑視された存在となっているような一切の諸関係 - 畜犬税の提案にさいして、或るフランス人が「あわれな犬よ、おまえたちを人間並みにしようというのだ!」と叫んだ言葉でもっともみごとに描きだされているような諸関係 - をくつがえせという無条件的命令をもって終るのである。●
マルクスの資本論はこういった宗教の批判を根幹にしたものだろうという印象である。無条件的命令とは反省せよということである。そして反省の命令により服従を反省せよといっているややこしい話なのだが至極もっともな話でもある。
佐藤さんのいわれた単純だけれど最も重要なところは労働力の商品化についてだろう。労働力の商品化により全世界は資本主義に支配されてしまった。その支配の現実主義(リアリズム)は今生きていればひしひしと感じるものである。ではどうすればいいのだろうか?マルクスの言う無条件的命令である。反省の無条件的命令と服従することについて反省することである。自らが労働力商品であることを反省しなければならない。そこから形成されるだろう何かこそ人間の理想郷へ続く道である。
人間マルクスについての本も読んでみたい。
- 感想投稿日 : 2015年2月5日
- 読了日 : 2015年2月5日
- 本棚登録日 : 2015年2月5日
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