秀吉がついに死に、豊臣政権が大きく揺らぐ、政治的には激動の巻。
真田一族の活躍はさほどでもない。
家康直参、本多忠勝の娘を妻とした兄・信幸と、石田三成の無二の友、大谷吉継の娘を妻に迎えた弟・幸村。
兄弟の絆に変わりはないが、力を増す家康とそれを危険視する三成の政治的な対立は、後の流れを暗示する。
お江、又五郎、佐助ら草の者の活躍が歴史と並行して描かれるのが、真田太平記の見どころ。
三成の危機に真田の草の者が密書を運ぶ!という展開にはニヤリとさせられる。
歴史ものとしてのリアリティ、人間ドラマ、忍者も含めた戦国エンタメのバランスがいいのが、池波正太郎作品の特質か。
真田一族や草の者たちはもちろんのこと、佐平次、右近、角兵衛といった個性的なキャラクターたちが、今後どのように歴史の荒波を生きていくのか。
先が気になる第五巻である。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年12月21日
- 読了日 : 2023年12月21日
- 本棚登録日 : 2023年12月15日
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