氷舞: 新宿鮫6 (光文社文庫 お 21-11)

著者 :
  • 光文社 (2002年6月1日発売)
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クレジットカード偽造集団を追っていたはずの鮫島が、元CIAのアメリカ人殺害事件を契機に、ヤクザと公安、ひいては政界との繋がりにまで切れ込む非常に複雑な作品。公安警察と警視庁の溝や、桜井商事という謎の諜報機関によって鮫島の行動はまさに孤立無援の様相を呈するが、第1作目で鮫島と激しく反目しあったキャリア組のエリート・香田と一時的に手を組むなどして、徐々に事件の真相に迫って行く。いやー、それにしても面白かった。「コレだよ、コレ!」って感じですね。非常に入り組んだ物語で、頭の中をイチイチ整理して
いかなくちゃならない様な複雑さがたまらない。なんか、もう「どう見ても無理だろ」的な状況を力技で打破する鮫島がカッコいいですね。こういう鮫島のカッコイイ部分が見れた反面、晶を裏切って(?)クレジットカード偽造事件の被害者で知り合った杉田とイイ仲になってしまった鮫島を見てしまい、少し複雑な気分…。「おおお、お前はそんな漢じゃねぇーだろーッ!」みたいな。まぁ、何はともあれストーリー的には非常に満足の作品。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2007年7月13日
本棚登録日 : 2007年7月13日

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