永遠平和のために/啓蒙とは何か 他3編 (光文社古典新訳文庫)

著者 :
  • 光文社 (2006年9月20日発売)
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■概要
下記 5つの論文を収めている.
1. 啓蒙とは何か
2. 世界市民という視点からみた普遍史の理念
3. 人類の歴史の憶測的な起源
4. 万物の終焉
5. 永遠平和のために

カントの哲学の到達点から歴史や人間の社会を読み解いた論文集、という印象。
書きっぷりから当時の一般読者向けにをターゲットに書いていたと推測されるが、現代日本人が理解するためには周回が必要そう......

■気づいたことと感想
読んでいる途中で気づいたこと
* 「自然」という語が2の論文以降頻繁に出てくるが、これは日本語の辞書的な意味に加えて自然法則や人間社会の法則も指しているようだ(解説でも自然の概念を節を設けて説明している)。
さらに、これらの法則はただの法則ではなく、神のような存在の優れた采配だと考えているように読める。
※本論中には神とは言っていないがそれっぽい存在を想定していると読める
* 自然には目的があって、自然が人類に与えた理性にも目的のような完全態がある。理性の完全態が人間の社会で実現されていく過程が歴史であるようだ。
自然にはその目的がある、という世界観。
* 理性の性質や性能が共有されている前提で本論に説明がない。多分本論だけでカバーできる内容ではなく、批判書とかを読まないと多分わからない

ちんぷんかんぷんのまま読み進めて、途中で上記に気づいた。
※命題がいくつか並べられるけれど、それらが何に関する命題なのかもさっぱりだった。

上を整理したうえで本論と解説を読み直したいところ

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 哲学
感想投稿日 : 2024年1月14日
読了日 : 2024年1月14日
本棚登録日 : 2024年1月14日

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