サンドウィッチは銀座で (文春文庫 ひ 20-3)

  • 文藝春秋 (2013年7月10日発売)
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本棚登録 : 992
感想 : 72

巷に出回っているグルメ本といえば、画素数の高い料理とお洒落な空間を写した写真がメインで、添えられる文章は疎かになった傾向がある。鼻腔を抜ける香りが無く舌に乗る味も貧弱だ。でもどうだろう平松さんが味を再現すると、目の前に垂涎物の皿が次々と並び出す。舌はあたかも食べたかのように錯覚し、幻覚を見た眼は虫眼鏡で子細に拡大する。私の脳裏は忠実に料理を作り出してゆく。お腹はぐぅを通り越し、ぱーでアッパレ見得を切る。美味い(上手い)。こんなに美味しいエッセイとは恐れ入った。隠し味に人情味を添える所も憎いじゃないか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年3月9日
読了日 : 2014年3月9日
本棚登録日 : 2014年3月9日

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