ときは冷戦時代。ベトナム戦争以降のアメリカは国外問題への関心を急速に失いつつあった。「輝けるアメリカ」「美しいアメリカ」というスローガンを掲げて当選した大統領は、国内問題には熱心だが、対外政策はどこか投げやり。
そんなとき、アメリカは突然、出現した「壁」に囲まれ、外部との交通、通信が一切、遮断されてしまう。
しかし、なぜか大規模なパニックは発生せず、「アメリカは生きつづけるだろう」と語る大統領のもと、アメリカ国民は意外に落ち着いていた。
「どう考えたって・・・・・・これはおかしい」
アメリカ国内に閉じ込められた日本人ライターは、そんな状況を不審に感じて調査を始める。
「アメリカは、“外”の世界に、ひどくいやな形で傷つき、萎縮(シュリンク)しはじめた。そいつは認めるだろ? 今の大統領は、その方向をさらに強め、妙な具合にカーブさせた。彼は“幸福な新天地時代”のアメリカのノスタルジイに訴え、そこからの再出発を考えているみたいだった」
「たしかにアメリカにとっては、“すてきな孤立”だ」
そして男がたどりついた真相とは・・・・・・。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
SF
- 感想投稿日 : 2017年4月8日
- 読了日 : 2017年4月8日
- 本棚登録日 : 2017年4月8日
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