蓮の数式 (中公文庫 と 33-1)

著者 :
  • 中央公論新社 (2018年1月23日発売)
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本棚登録 : 257
感想 : 40
5

長年の不妊治療と四度の流産と、高圧的な夫、姑との苦しい生活から逃れたのは、年下の影のある青年、高山透との出会いだった。
そろばん塾を経営していた千穂は、彼が算数障害を抱えて苦しんでいることに気づく。
浮気を疑う夫に暴行され、それを止めない姑。ボロボロになった千穂が頼ったのは、透だった。
罪に罪を重ねて、二人の逃避行が始まる。
久しぶりの遠田作品。
毎回読む前からわかっているのに、ズンと気持ちが凹む。これでもかという程、理不尽な目に合い、闇を抱えた主人公につい感情移入してしまう。
逃げて、逃げて、逃げ切って欲しいとラストまで一気に読んだ。
終章の恵梨視点の内容に唖然とし、無性に腹が立つ。子供だったとはいえ、麗を更にあの環境にしてしまった罪は重いはずだ。
娘にも申し訳ない気持ちがあったから、父が真実を伝えてないだけで、読み手の自分はなんだこいつ?!と怒りが・・・・笑
今回も遠田ワールドにどっぷりはまってしまった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年9月27日
読了日 : 2021年9月27日
本棚登録日 : 2021年9月27日

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