タイトルの散文は、ジャック・レダというフランスの小説家と一緒に、グリニッジ子午線ではなく、パリ子午線上を探して歩くという物語。憧れの人と一緒に地平線上の真北から天頂を通って真南へ至る天球上の仮想的な大円を沿って歩き続けるということは、なんともロマンティックである。その他の2〜5章の散文も、仏の作家をもとにして物語で歩んでいく。いつもながらの美しい日本語によって、そこがフランスのスラム街(郊外)でも魅力的に感じる。わたしがもっとフランス語を知っていたらその音がこの本をよりロマンティックにするんだろうと思ってやまない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本小説
- 感想投稿日 : 2008年3月12日
- 読了日 : 2008年3月12日
- 本棚登録日 : 2008年3月12日
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