老人と海 (新潮文庫)

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老漁師サンチャゴから学んだ7つのこと:

1. 揺るがない気持ちをもつことの大切さ。
84日間一本釣りで獲物が釣れなくても今日は絶対に釣れるんだと強く信じてやまない強い心があれば、いつか必ず獲物を仕留められよう。

2. 己が生まれてきた意味を自覚することの大切さ。
自分が漁師として生まれ、大物を釣り上げるためだけに生きてきたと自覚しているため、周りに何を言われようとも行動や思いに迷いが生じない。

3. 決意することの大切さ。
今目の前で戦っているこの大物のカジキ、いや獲物、いや兄弟を殺す、と固く誓っていることにより、途中で行動がブレることがない。また困難に直面しても途中で諦めるという気持ちが起きない。

4. 戦いというのは壮絶であること。
一人の老漁師と一匹の大きな獲物との戦いは、孤独な心理戦・持久戦となり、いつしか相手に対し友情や愛情、そして尊敬にも似た気持ちを抱かせてしまうほど壮絶なものであった。つまり楽な戦いなどは本物の戦いではないということだ。

5. 師弟関係の大切さ。
海で一人で孤独に獲物と戦っているときにも、老人を慕っている少年のことを常に思うことで、老人は気持ち的には少年と二人で獲物と戦っていると思われる。師弟関係は人を孤独から解放し、疲労困憊の身体からも力を湧き立たせてくれる、人間を前進させてくれる源泉だ。

6. 前向きな考えの大切さ。
仕留めた獲物を船に横並びにして岸に向かっているところ、サメに獲物を襲われて獲物の一部がなくなってしまった。それでも40ポンド分なくなって軽くなったろう、と思う前向きさ。どんな困難に直面しても、前向きな考えがあれば過去にとらわれずに前に進めるはずだ。

7. 諦めない心の大切さ。
サメは血の匂いで次々と集まり襲いかかってくる。そんな中、サメと対峙する銛がなくなっても老人は今ある道具でサメに戦いを挑む。最後まで諦めない気持ちは、老人を生きて岸まで返したことにつながったのだと思う。

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老漁師サンチャゴは言った。

「だが人間は負けるようには造られてはいない」
「打ち砕かれることはあっても負けることはないんだ」

そう、人間は負けることはないんだ。何度でも這い上がれば、負けることはない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年2月22日
読了日 : 2020年2月19日
本棚登録日 : 2020年2月19日

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