一番すきといってもよいボネガットの未発表短編集
機械化が好きではないって主張が前面に出てくる「耳の中の親友」、なんかよくわからん「FUBAR」、これまた金持ちの悲哀かなぁ?ぴんとこない「ヒポクリッツ・ジャンクション」、自由への戦いと明るいエンディングの「エド・ルービーの会員制クラブ」はなかなかいい。
天才ってなんだろうな?「セルマに捧げる歌」を読むとそう思う。少しだれてきたからか、「鏡の間」は意味混乱だ。続く「ナイス・リトル・ピープル」にしてもイマイチ。
半分を過ぎ、「ハロー、レッド」のトンチンカンな結末に驚き、「小さな水の一滴」のわけのわからなさに閉口する。
アリの文明ってな「化石の蟻」の楽しさがあまりわからずがっかりして、「新聞少年の名誉」を流し読み。
表題作「はい、チーズ」はブラックにおもしろい。まともなショートだ。続く「この宇宙の王と女王」も金持ちと貧乏がテーマかなぁ。
ラストの「説明上手」は単なる5分間ミステリーだな。辻褄が合う珍しい結末。
全体的にはボネガットの香りが濃いけど、やはり寄せ集め。ローズウォーターさんが傑作だと思う私には、少し残念かな。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
SF
- 感想投稿日 : 2015年1月11日
- 読了日 : 2015年1月11日
- 本棚登録日 : 2015年1月9日
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