豊饒の海 第二巻 奔馬 (ほんば) (新潮文庫)

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『法律とは、人生を一瞬の詩に変えてしまおうとする欲求を、不断に妨げている何ものかの集積だ。

血しぶきを以って描く一行の詩と、人生とを引き換えにすることを、万人にゆるすのはたしかに穏当ではない。しかし内に雄心を持たぬ大多数の人は、そんな欲求を少しも知らないで人生を送るのだ。

だとすれば、法律とは、本来ごく少数者のためのものなのだ。ごく少数の異常な純粋、この世の規矩を外れた熱誠、

……それを泥棒や痴情の犯罪と全く同等の《悪》へおとしめようとする機構なのだ。その巧妙な罠へ俺は落ちた。他ならぬ誰かの裏切りによって!』

作中作のめっちゃ長い『神風連史話』で挫折しそうになったけど、後半は面白かった。観念的なところが非常に良かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文芸
感想投稿日 : 2015年2月2日
読了日 : 2015年2月1日
本棚登録日 : 2015年2月1日

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