ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件 (Hitotsubashi Business Review Books)

著者 :
  • 東洋経済新報社 (2010年4月23日発売)
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『気合と根性が大切だということはもちろん否定しません。会社にとって一番大切なことかもしれません。しかし、「大切にする」と「依存する」ではまるで違います。気合と根性に寄りかかったリーダーからは、戦略は出てきません。

顧客は自社の言いなり、供給業者も頭を下げてくる、新規参入はありそうにもない、といった「ハワイの住人」にとっては、戦略はそれほど必要ありません。戦略とは、ある意味では、「北極の住人」の発想です。

「最後はなんとかなる……」ではなく、むしろ「放っておいたら絶対なんともならない」というのが戦略的な思考です。』

戦略を全社戦略と競争戦略とに分けて、競争戦略のみに焦点を当てた作品で、非常に勉強になった。

「競争がある中で、いかにして他社よりも優れた収益を達成し、それを持続させるか、その基本的な手立てを示すものが競争戦略です」と分かりやすく定義し、その部分の説明に集中している。

もちろん、シェア、成長、顧客満足、従業員満足、社会貢献、株価も重要であるが、それらすべても結局は「長期にわたって持続可能な利益」に収れんされると、論点もシンプル。

確かに項目の羅列で覚えられない戦略と違い、ストーリーのある戦略は面白く、読んでてなるほどと思う。

ためになる作品だったな〜。今回の研修の課題図書は当たりだな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 教養
感想投稿日 : 2015年2月27日
読了日 : 2015年2月27日
本棚登録日 : 2015年2月27日

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