「櫂」が太宰治賞を取り、後「朱夏」、「春燈」に続く。そして4部作最後となるのが「仁淀川」だとはこの本を購入するまで知らなかった。
たまたま「櫂」を先に読んでいたので順番としては最初と最後を読んだ事になる。
やはり宮尾登美子の真骨頂は、内省(内声)描写だろう。くどいと思うこともあるけれど、ああでもない、こうでもないと色々悩む中、ひとつの方向性を出してそれに進んでゆく力を感じる。
少ない宮尾登美子経験で言えば、彼女の作品の最後は随分とあっけない。ここまで登場人物の内面を語らせていながら、作家「宮尾登美子」を生み出した肝心の部分については、全く触れられずに終わっている。
これまた偶然、私の憧れる背の高い女優が、文庫本の最後に解説ならぬ感想文(?)を書いている。彼女も宮尾登美子が「生まれる」キッカケについて興味を持っているのだが、今年この著者は亡くなられた。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年12月27日
- 読了日 : 2015年12月27日
- 本棚登録日 : 2015年12月27日
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