両親のいない小狐のごんは、
村へ出てきては
イタズラばかりして、村人を困らせていた。
ある日ごんは、
兵十が川で魚を捕っているのを見つけ、
魚やウナギを逃すというイタズラをしてしまう。
それから10日ほどして、
兵十の母親の葬列を見たごんは、
あの時逃がしたウナギは
兵十が病気の母親のために
用意していたものだと悟り、後悔する。
母を失った兵十に同情したごんは、
ウナギを逃がした償いのつもりで
毎日イワシや松茸や栗などを
コッソリと兵十の家に届けに行く。
しかしその善意は
兵十には伝わらぬままに、
思いがけない結末を迎える…。
確か小学校の教科書に載ってましたよね(^^)
名作ということで
様々な人がイラストを書いているけど、
なんといっても
黒井健さんが描く
繊細なタッチの情感豊かな絵が、
切ない話に一番合っていると思うし、
個人的にも一番好きです♪
イタズラ好きのごんが兵十に同情したのは、
母親を亡くし
ひとりぼっちになった兵十に、
ずっと孤独だった自分の姿を重ね合わせたんだと思うな。
だけど
毎日届く栗やイワシを
ずっと神様のイタズラだと思っていた
兵十の話を聞いて、
寂しさを感じたごん。
最後に
『ごん、お前だったのか。いつも栗をくれたのは…』
の兵十の言葉を聞けて、
頷きながら
嬉しかったごん。
最後の最後で
一瞬でも心が通じあえたのかな…(>_<)
もう書いている今も
あまりにも悲しい結末を思い出しては
撃沈です(泣)(ToT)
新美さんの作品は
『手ぶくろを買いに』同様に、
美しい日本の風景描写や
日本語の美しさを改めて教えてくれる。
そして親子の情愛や
動物と人間の触れ合い、
『やさしさ』や
『愛情』をテーマにした彼独特な作風は、
殺伐とした今の時代だからこそ
胸に沁み入るし、
これからも伝え続けていかなければならない
日本が誇る童話だと思っています。
- 感想投稿日 : 2012年5月4日
- 読了日 : 2012年5月4日
- 本棚登録日 : 2012年5月4日
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