2004年発表。
毎日朝4時半に起きて
1時間ばかり走ってます。
まだ暗くて人がいない朝は、
もやっとして
街もぼんやりと白い。
風が頬を刺す感じが
なんとも気持ちいい。
堤防沿いに咲く花を見ても
季節はゆっくりと、
でも確実に
めぐりいってるんだなって思う。
朝の公園や堤防沿いには
いろんな人がいます。
覚えたてのサックスで
軽快なジャズを吹いている学生、
ダイエットのためか
必死の形相で走る
コロコロしたおばちゃん、
初老のタクシー運転手が
大きな声で
『私〇〇タクシーの〇〇でございます!』
と
何度も何度も一人頭を下げて
お客さんを
エスコートする練習をしてたり。
一人台本らしきものを持って
一心不乱に役になりきる
若い女性がいたり。
そんな光景を見ていると
なぜだか泣けてきたりして…
みんなそれぞれ、
たったひとつの夢を叶えるためや
ただ新しい1日を生きるために、
毎日知らないところで
それぞれに頑張ってんやなぁ〜って
胸が熱くなります。
本書は
そんな「朝」をテーマにした
写真と言葉の
コラボレーション・ブックで、
右から見ると詩集、左から見ると写真集になっています。
(特に赤毛のアンの舞台であるプリンス・エドワード島の朝の風景写真は息を呑む美しさ!)
個人的には
ネスカフェのCMで取り上げられた、
『カムチャッカの若者が
きりんの夢を見ているとき
メキシコの娘は
朝もやの中でバスを待っている…』
と続く谷川俊太郎の
『朝のリレー』という詩が好きです。
世界中どこにいたって、
誰の上にも
朝は必ず訪れる。
本当はなかなか気づけないことだけど、
街は生きていて
朝は毎日違います。
単調で面白くない毎日に感じても
街はセットや背景なんかじゃないし、
今日の太陽と
明日の太陽は同じじゃない。
それは自分の心模様や
心の在り方に密接に関係してくる、
意識しなきゃ解らないこと…。
毎日朝が憂鬱だったり、
昨日失敗した人も、
今日からはまた
新しい1日。
この本を読めば
少しだけ
いつもの朝が
待ち遠しくなると思います。
- 感想投稿日 : 2012年6月13日
- 読了日 : 2012年6月13日
- 本棚登録日 : 2012年6月13日
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