本屋の窓からのぞいた京都 ~恵文社一乗寺店の京都案内~

  • 毎日コミュニケーションズ (2010年10月13日発売)
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感想 : 41
5

京都に恵文社一乗寺店という本屋があることを
御存知ですか?


場所は京都・左京区、学生の町でもある一乗寺。
叡山鉄道一乗寺駅近くにあります。


店員が選び抜いた本はもちろん、
雑貨や洋服、CDなど、
本にまつわるあれこれを集めた
セレクトショップになっていて
京都に行ったら必ず立ち寄るという
他県からのお客さんも多く、
全国にファンのいる人気書店でもあります。


自分がこの本に惹かれた理由は
本屋の視点から見た京都という点が
とても斬新に思えた点。

ガイドブックにはない
よそ行きではない京都の
一乗寺というノスタルジックな町が
リアルに見えてきたからです。



新刊をいかに沢山売るかを信条とする
今の大型書店。

どこに行っても
ベストセラー本中心の
同じものが
平積みになってるレイアウト。


自分がそこに感じるのは違和感です。

店側の「好き」に対するこだわりや
その店だからこその
「色」が見えない本屋が
あまりに多い今の現状。

心よりも
効率を優先させたシステム。


最近は検索機能を使って
いかに早く欲しい本を見つけ出すかが問われたり、

読むべき傑作本を
ネットで聞いて読んでる人も多いみたいだけど、

本来自分の「好き」は
自分で探し見つけるもので、
本は「探すこと」が
一番の醍醐味だと思うんです。


本を探すという行為こそが
新しい扉を開く出会いに繋がり、
自分だけの
「好き」を作っていく。


流行りに振り回されて
売れてる本を常に気にしてチェックする、
そんな追いかけっこを続けていくくらいなら、
知識なんかなくたっていい。


自分を呼ぶ本を
一冊ずつ読んでいったほうが
絶対いい。



恵文社には
本を自分で選んで、

選ぶこと、

探すことを、

楽しむ喜びがあります。



本書はそんな恵文社の歴史や魅力と共に、
レトロな喫茶店や洋菓子屋や定食屋など
周辺の個性的なお店や

個性的なヒト、モノ、町の匂いに至るまでを
豊富でオシャレな写真と共に紹介した
エッセイ&ガイド集です。


作家いしいしんじさんや
文筆家甲斐みのりさんの寄稿も掲載されていて、

本が好きな人であれば
これまでとは一味違う
京都の風景が
この一冊で楽しめますよ(^_^)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: その他
感想投稿日 : 2012年12月1日
読了日 : 2012年12月1日
本棚登録日 : 2012年12月1日

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コメント 6件

山本 あやさんのコメント
2012/12/01

恵文社一乗寺店さんっっ。
大っっっ好きで、よく本を購入していて、この本も買いましたー♡
読むのがますます楽しみですっ[*Ü*]

本屋さんの佇まいからセレクトから、本屋さん自体に
魂と息遣いを感じる静かであったかい本屋さんっていいですよね。
恵文社さんと音のセレクトも好きな方が多くて
もー、ほんとに住みたいっていつも思っちゃいます[笑]

音楽も本もなんだか最近の日本はより個性が平らというか
心で感じる何かをぽっかりと失くした感じが否めなくて寂しいけど
コンセプトや伝えたい熱量が充満したステキな世界や文化を
みんなで作っていけるそんな国になれたらいいですよね[*・ー・*]あー、京都に行きたい!

マリモさんのコメント
2012/12/02

こんにちは、コメントは初めましてです!

私は京都に住んでいたことがあるのですが、知りませんでした。
そんな本屋さんがあったんですねぇ。しみじみ。
住んでいると、便利なスーパーやコンビニばかり行っていて、あぁ当時の私はもったいないことしてたなぁと。
レビュー読んで、京都にすっとんで行きたくなりました。
特に目的なく、ゆっくりとぽてぽて京都歩きをしたいです。

円軌道の外さんのコメント
2012/12/05



山本あやさん
コメントありがとうございます!

おおぉーっ!!!
店もご存知で
この本も買われたんですね(^O^)

自分はずっと行きたいと思ってて
つい最近やっとこさ
探し当てました(汗)

京都の地理には疎いので
かなり探し回りましたよ(^_^;)


あはは(笑)
住みたいって気持ち
解ります!

自分も小学生時代
図書館で一晩を過ごしてみたくて
隠れて一泊したことありますよ(笑)

まだセコムとか
ちゃんと警備してない時代なんで
できたんやろうけど(笑)


心が通ってない本屋は
どうなんでしょう。


一冊一冊と丁寧に向き合い
一人一人に手渡す本屋さんが
自分の理想です。


またそうであって欲しいと
切に願います。


円軌道の外さんのコメント
2012/12/05


マリモさん、
コメントありがとうございます(^O^)

わぁ〜
京都に住んでらしたんですか!

うらやましいっ(笑)(>_<)


けど実際に住んでる時は
案外気づかないもんなんスよ(笑)

自分も引っ越ししてから
オシャレな店が沢山できたり、
住んでた街が注目エリアになったりって
ありましたもん(笑)


京都にはオシャレで個性的な本屋さんが
ホンマたくさんあるんで
是非是非
探して行ってみてくださいね(笑)


迷いながら
ウロウロするのも
京都の町は楽しいんで(笑)


kwosaさんのコメント
2012/12/06

恵文社一乗寺店さん、いいですよね。
過去に唯一の京都旅行では、寺社仏閣そっちのけで直行しました(あとガケ書房)。

リアル書店の魅力は、未知の本との出会いと衝動買いだと思っています。
ご近所にこんな素敵な書店がある一乗寺の方々がうらやましい限り。僕なら毎日通って
散財してしまうだろうなぁ。

この本が欲しくなってしまいました。
円軌道の外さんのレビューも衝動買いを誘いますよね。

円軌道の外さんのコメント
2012/12/07


kwosaさん、
ここにもコメント
ありがとうございます!

おおぉーっ
さすが本好きさん、
ガケ書房にも行かれてたんですね(^O^)


はい、おっしゃる通り!

普段絶対に手にしないであろう
未知なる本との出会いこそが楽しいし、
大型書店では味わえない
探す醍醐味が
そこにはあるんですよね♪

売れる売れないや
流行に関係なく、

自分を呼ぶ本に出会える喜びや、
自分だけが知っている名作を見つけ出した時の
あの達成感(笑)

これやから
本好きは
止められへんねんなぁ〜って
一人ニヤニヤと
幸せな余韻に浸ってしまいます(*^o^*)


この本はガイドブックにはない
恵文社一乗寺店が語る
京都の人や物や
周辺の個性的なお店を紹介しています。
ボーっとお茶しながら
パラパラ眺めているだけで、
気分は恵文社一乗寺店界隈に
トリップできます(笑)

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