「遭難者」久しぶりに読むクラーク、透明感のある描写は変わらず大好き。掌編といってもいいページ数に何ものとも知れない生き物の死をみとる物悲しさが詰まっている。「江戸の花」明治初期の科学技術による変化をSFにする、解説にあった“変化の文学”に納得。落語に関する本数冊読んだだけでも頻繁に名が挙がっていたこの明治初期の三遊亭円朝、私の中でのイメージはしばらくこの作品にもとづきそう。「ポータルズ・ノンストップ」も好き。SF小説好きの心をくすぐるエピソード盛り込んだ謎かけからお約束の結末へ繋げる展開が小気味好い。

収録作品:アーサー・C・クラーク「遭難者」/ロバート・シェクリイ「危険の報酬」/ジョージ・R・R・マーティン「夜明けとともに霧は沈み」/ラリイ・ニーヴン「ホール・マン」/ブルース・スターリング「江戸の花」/ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア「いっしょに生きよう」/イアン・マクドナルド「耳を澄まして」/グレッグ・イーガン「対称」/アーシュラ・K・ル・グィン 「孤独」/コニー・ウィリス「ポータルズ・ノンストップ」/パオロ・バチガルピ「小さき供物」/テッド・チャン「息吹」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2014年9月23日
読了日 : 2014年9月23日
本棚登録日 : 2014年9月23日

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