意地悪しないでお兄ちゃん (白泉社花丸文庫 こ 7-3)

著者 :
  • 白泉社 (2013年4月19日発売)
3.58
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本棚登録 : 120
感想 : 17
5

前作のハードな893モノから一転して、とっても楽しいラブコメ作品でした。
兄弟ものの様々なバリエーションの中から、義兄×弟という組み合わせになっています。
ストーリーがわかっちゃうと面白さが半減するので、レビューは後から読むことをオススメ。というか、読んでるうちにうっすらと…いや、はっきりとネタがバレバレなんですけどね。そこがまたアホらしくてよかったりしました。表紙がいいです。かわいく見せといて、かなり危ない!



読み始めは、二人の関係がちょっと少女マンガちっくだな~と思っちゃいます。実の父親のDVから逃れてつましく暮らしていた唯は、母親が再婚したことで裕福な家庭の子供として育ちます。美少年だった唯は、兄となった千流にもかわいがられて大事にされていたのに、中2になったある日千流が仕事でアメリカへ行ってしまうことになり離れ離れに。
離れたことで兄への恋心をはっきり自覚した唯ですが、成長するにつれ千流に気に入られていた可愛らしさがなくなり別人のように男の子っぽく変貌してしまい、ひどくコンプレックスを抱いてしまうのです。

男の子って第二次性徴期に背が伸びて声変わりもしてすごく変わりますよね。かわいくなくなったことで、千流に嫌われるのではとショックを受けてる唯。
お兄ちゃんを絶対視していましたから無理もありません。
そんな唯がごく地味な大学生に成り果てていたある日、千流が突然帰国するという知らせが舞い込みます。
焦った唯は、親友でとても美形の正也を自分の身代わりに仕立て上げるのですが。

ここまではふつうにかわいい義兄弟モノで、まあスタンダードレベルの胸キュンだったんですよね。
でも、ここからが面白かったw
お兄ちゃん、実はすんごい腹黒変態ストーカー。最初の印象ではとても王子だったのに…!ぜんぜん違う!!ちーたんとブリーフが衝撃ありすぎでしたww私の中で、なにかがボロボロと崩れてきました。
でも、千流の唯に対する気持ちは真摯でゆるぎないことが伝わってきて、すごく安心できます。愛ですね。唯が嘘をついてあれこれ画策していた事だってまったく問題視してないし、唯だって千流のそんな実態がわかってもお兄ちゃん大好きなのは変わりません。あんな変態(失礼)のことを、すごく好きなんですよね~
散々大騒ぎした後は、バカップルの極みでした。

エロ的にもかなりマニアックなプレイ?が盛りだくさんです。笑える方で、出血大サービス。親友にだまされてのエプロン、ネコ耳、受けまくりました。唯は物馴れてなくて素直で、たまに突拍子もないことをやらかしちゃうところがかわいいんですよね。千流のドS心に火をつけちゃうような男の子なんです。
小中センセは、こんな面白い変態ラブコメも書けるなんて多才です。タダモノではない!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小中大豆
感想投稿日 : 2013年4月26日
読了日 : 2013年4月26日
本棚登録日 : 2013年4月26日

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