キスと小鳥 (白泉社花丸文庫 ま 5-2)

著者 :
  • 白泉社 (2014年12月19日発売)
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本棚登録 : 104
感想 : 14
4

再会ものでした。センセの作品は王道ぽいけれど、ひとひねりあってただ甘いだけじゃない仕上がりになっているので毎回ハマってしまいます。

中学生の時の初恋の相手だったリヒトに6年ぶりに再会できた日向ですが、憧れの優しい美青年だったリヒトは俺様で横柄な会社社長になっていてまるで別人で、そんな彼に世話係として雇われてしまう…という方向違いの切ない展開です。
でも日向は利仁とビジネスライクな関係しか結べなくても、逢えただけでも自分はとても幸せ!と考える、前向きで流されない強さの持ち主で、ほっとさせられました。
無理して思い出してもらわなくても、こうして一緒にいられる今のこの瞬間を大切にしようとする日向の気持ちがステキでした。
知らず知らずのうちに嫁としてのポジションをしっかり身につけている日向です。利仁に甘やかされるだけじゃなく、言いたいことはちゃんと言う芯の強さも好ましかったです。

中学生の時の日向の中では初恋の人リヒトは、憧れの人として美化され完璧に見えてたのかもしれないなと思いました。
少女マンガの王子様みたいで、むしろ再会後の人間臭い欠点だらけの利仁のほうが真の姿じゃないかなと。
照れて好きだときちんといえないところとか、愛情表現が下手なところとか、そのくせHではダダ漏れになっているところとか、ダメなところがむしろ微笑ましくて憎めなかったです!

そんな暴君の利仁でも大好きだと思える日向の気持ちも、ただの憧れではなくホンモノの愛に育っているなと伝わってきたのもよかったです。
相模原がすごくイイ味出していました!二人の愛の成就に関する相模原の功績は非常に大きいと思いましたw

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 間之あまの
感想投稿日 : 2015年1月16日
読了日 : 2015年1月16日
本棚登録日 : 2015年1月16日

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