隣りにいる人 (ショコラ文庫)

  • 心交社 (2013年3月9日発売)
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本棚登録 : 104
感想 : 17
3

「遠くにいる人」続編。小田島と治樹が付き合い始めて1年後の様子がメインです。前作から読むことをオススメ。

褒められた性格じゃなかったあの小田島が、改心してびっくりするほど包容力のあるいい人になっていました。誰にでも優しかったのが、今では治樹限定になっていてホッとした反面、こう言っちゃなんですが腑抜けてしまったような気もしたりして…
もちろんリアルに考えると、これが絶対望ましい形だとわかっています!二人がラブラブなのを確認できて嬉しいです。
…なのにイヂワル読者としては、小田島がもう一悶着ぐらい起こしても良かったんじゃないかな、などと黒く考えてしまうんですよね~
あくまでも読み応えとしてですが。
それに、モテ男だった小田島の黒歴史からいって、そんなに簡単に改心するなんてもの足りないかんじが。さらには治樹にそこまで執着させトリコにしちゃうような甲斐性があるとは思えない(失礼)ので。
その治樹は、あんなに愛されているのに相変わらずネガティブでめんどくさい受!そこがかわいくていいんですけどね。自信がなくて臆病な治樹には、今回も気付いたら肩入れしていました。

でも、ネガティブ治樹がもっとめんどくさいことになって、お見合いのことで揉めまくって、最悪「もうやだ」って見限るところまでいってもおかしくなかったですよね。もっとはっきり自信のなさを爆発させてくれてもよかったのにな~
譲歩したりせずに、思いのたけをぶつけてほしいと焦れ焦れしました。
そして意外にあっさり片付いてしまい、ちょっと拍子抜け。
必死になって頑張る、小田島の情けなくてカッコ悪い姿を見てみたかったですww

「追う男」は、小姑キャラの三津がメイン。
彼の本音が臼井をとおして伝わってきました。切ないけど、深刻でもない。
微妙な三津の思いが改めて理解できます。
これからも小田島と治樹に対してあれこれ世話を焼いてほしいです。まさに小姑として!
臼井との間柄は、描き方が中途半端で思わせぶりなだけで終わってしまったので残念。三津にも恋が訪れるのか?という予感だけありました。

エロ的にはメインに関しては大サービスなのかラブラブが沢山ありましたが、三津の話はそこまではまだまだ、なかんじ。
お仕事ものとしての描写もあったけど、もっと掘り下げてくれてもよかった。
ストーリーは地味だけど悪くないのに、萌えがやっぱり今ひとつ足りなかったかも。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ひのもとうみ
感想投稿日 : 2013年3月26日
読了日 : 2013年3月26日
本棚登録日 : 2013年3月26日

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