日本国憲法 (小さな学問の書 1)

制作 : 童話屋編集部 
  • 童話屋 (2001年2月1日発売)
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感想 : 18

一応、読みましたが、「日本国憲法」って、そもそもこういうレビューに馴染むようなものなのでしょうか…。少なくとも、星を付けることは出来ません。
今回、私が「日本国憲法」を読むにあたって心掛けたのが、とにかく、これまで知り得た範囲の「憲法論議」を一度忘れて、出来るだけ予断を排して読むということ。感覚としては、頭ではなく身体で読むということですね。
で、どういう感想を持ったか。一言でいえば、非常に格調が高いということです(なんだ、そのありきたりな感想は。でも、本当なんだから仕方ない)。読んでいて思わず粛然と襟を正しました。特に前文。
「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した」
高邁な理想を語った文章というのはしばしば嘘くさく、私はどちらかというとそういう文章が苦手で茶々を入れたくなるのですが、憲法前文は単に美辞麗句を並べているだけではない、妙な表現ですが、茶化してはいけない、茶化せばこちらの人間の底の浅さがただちに露呈するような、強い覚悟と真剣さが伝わってくるのですね。
私は自分がこういう感想を持つことが自分でも不思議なのですが、最後まで読んで、ほとんど陶然となりました。
種々の憲法論議は一度、脇へ置いておいて、格調の高さという点において、私はこの憲法を持っていることを国民の一人として誇りに思います。
中身についてはおいおい吟味するとして、一読した感想は以上です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2013年7月30日
読了日 : 2013年7月30日
本棚登録日 : 2013年7月30日

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