高校時代、「バナナフィッシュにうってつけの日」だけ読んで、意味がわからない!と放り出してしまったまま幾年。
柴田元幸信者として、彼の訳なら読まねばと重い腰を上げて再読したのだけど、一編目で放り出した高校生の自分は何ともったいないことをしたのか…。
いや、当時の私が続けて読んでもこれを魅力的に思ったかはわからないけれど。
「コネチカットのアンクル・ウィギリー」が、もうどうしようもなく私の心を潰してたまらなかった。
涙出た…。
他の作品も胸に迫るものが多く、最後の「テディ」が、その結末の鮮やかさを含めてまた見事。
一つには戦争、もう一つには人と人とが通い合う・合わないのほんの紙一重のこと、ほぼ全編にそれがあるように思うけれど、この作品に解釈ということに意味があるのかどうか。
特にバナナフィッシュについては相変わらず意味はほぼわからないものの、これはこのまま読んで何か言葉には表しがたいものを感じた、それでいいんじゃないかと今は思う。
一言でこの作品集を表すなら、愛おしい、だと思った。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2014年7月11日
- 読了日 : 2014年7月11日
- 本棚登録日 : 2014年6月2日
みんなの感想をみる