これまで読んだ村上春樹作品で、ダントツで合わなかった…。
主人公にゾッとする。
何で?何でこんなに他人に対して無神経でいられるの?何で単に人に関心がないだけなのにその距離の取り方を「優しい」とか言われて本人も受け入れてるの?ほんとに何なの?
「ノルウェイの森」も主人公が苦手で「海辺のカフカ」も主人公パートの方は苦手なんだけど、今作と共通して、人(特に女性)を精神的に殺しておいてまるで自覚がないし意識しようともしてないところがほんとに苦手…。
薄っぺらい無垢さっていうか。
そのイノセントは他人の犠牲の上にあるんだぞっていう。
自省が感じられない。
「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」は好きなんだけど、それはまさに主人公が「自分が取り返しのつかないほど他人を傷つけたことがあるかもしれない」っていう二重の恐ろしさ(傷つけたこととそれに気づきしないこと)を受け止めるからだった。(女のいない男たち」も好き。否応無しに自省しなきゃならない状況に置かれるので)
多分、今作は書かれた当時の社会へのカウンターだったりしたんだろうけど、今読む私は向いてなかったなぁ…。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年2月25日
- 読了日 : 2019年2月25日
- 本棚登録日 : 2019年2月9日
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