これが他の経済小説ならいいのだろう。
インタビューで著者は『経済』を題材にしているだけで経済小説を書いているつもりはないという趣旨を読んだことがある気がする。
が、池井戸ブランドにまでなると
読者も求めるものが多く、高くなる。
勧善懲悪で中小企業の苦境に立たされた会社が
銀行の貸し渋りやライバル大企業、
そこにいる小悪党。裏で手を引くコンサル、
お金じゃなく(夢を見ることにかける職人)など
どこかで見ている人がこれでもかと登場する。
そうなるとこれは『陸王』である必要があるのか??と思ってしまった。
『ルーズベルトゲーム』 『下町ロケット』との違いを見いだしにくい
題材が足袋屋なだけでリバイバル上映である。
ただ大いなるマンネリも期待されているので
そこは割り合いなのだと思う。
予定調和はこれくらい、まさかの融資策、
苦境からの突破術はこれくらいと。
それが今回は予定調和が多すぎたかなーと。
現実が小説を上回ってしまっていて小説の様な事は小説内では起こりにくくなってしまってるのかもしれないが
おこがましい事を承知で言えばもっと裏切って膝を叩かせて欲しかった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年1月12日
- 読了日 : 2017年1月10日
- 本棚登録日 : 2017年1月10日
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