ようこそ。ロクデナシの世界へ。
主要人物のロザンナが自分の結婚式に出席できなかった
エレインを5年ぶりに探すことから物語は始まるが
その理由もジブラルタルでの鬱積した結婚生活に
嫌気がさした為
昔の仕事仲間が振ってくれた仕事に飛びついて
ロンドンで羽を伸ばせるからという理由なので
おおぅーとなる。
だからかロザンナに全く感情移入できない。
(身勝手なわけではなくて、今の自分より仕事をバリバリしてたあの頃の自分は正しかったはずでそれを証明したいが為にエレインを探し始めるというのはいただけない)
終いには最後の目撃者弁護士のリーヴと恋仲みたいになって、それで本当に真相究明できますか?とはなるが
彼女自身の視点から見れば、
満たされない結婚生活から逃げ出してきて
真相究明が本当の主題ではないわけで
少し紳士的な男にほだされたらそうなりますぅぁーね。と
ミステリー、謎解きと思うと
少しイライラしてしまうので
2時間ドラマ的な群像劇と思えば
ただ出てくる人ほぼロクデナシなので(笑)
ロクデナシが悪いんじゃなくて
貴方はこの人達に何か言えるほどのものをもってますか?と言われてる感じがして‥‥‥
それこそが本作品のナーメテーターな所で
2時間ドラマ作品と思ってナメてたら
人間の業をドーンと見せつけられるという。
ただ哀しむべき事に、この人達が少しでも、
ちょっとでも人に優しく出来たなら
エレインの失踪は無かったんじゃないかと
ありえない未来を思わせるわけです。
ただそれは覆水盆に返らずで
そんな事は考えても無駄なんですけど
無駄だからこその、
無念さを心に残す読後感になりました。
- 感想投稿日 : 2017年12月16日
- 読了日 : 2017年12月13日
- 本棚登録日 : 2017年12月13日
みんなの感想をみる