米澤穂信さんの短編は、とても読みやすくてとても面白い。
「バベルの会」という、良家の子女が集まる読書会を軸とした連作。
読書会が登場するだけあって、国内海外の古典名作文学のタイトルがたくさん出てくる。
古典文学は高校の現代文授業程度の知識しかない私は、自分の教養の低さを実感するものの、知識はなくても楽しめます。
むしろ、分からないこそのムズムズ感を楽しむ本なのかな。
全体的に不気味なんだけど、そこの不気味さの正体はなんだろう?と考えたとき、
使用人たちの主人に対する絶対的な服従にあるのだと気付いた。
登場する使用人たちは、無理なことを言い渡されても、絶対に成し遂げようとする。
それが、とても残酷で不気味。
読書会の秘密は最後の、同名短編で明かされるんだけど、ゾーッとした。
なんか既視感?と思ったら、多分暗黒女子と世界観が似ているのかな。あれも読書サークルだったもんな。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ミステリー
- 感想投稿日 : 2020年7月19日
- 読了日 : 2020年7月19日
- 本棚登録日 : 2020年6月27日
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