「便利」は人を不幸にする (新潮選書)

著者 :
  • 新潮社 (2013年5月24日発売)
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本棚登録 : 122
感想 : 14

日々進化していく科学技術。
それによって私たちの生活はより「便利」になっていきます。
15年くらい前にはなかった携帯電話は今や生活の必需品になっています。
今、携帯電話がない生活を想像できるでしょうか?
なくても問題ない、という人もいるでしょうが、
絶対無理!! と思う人の方が圧倒的に多いと思います。
「便利」になった一方で、携帯電話を持っていることで引き起こされるストレスがあります。
すぐにメールに返信しないといけない、という義務感、
SNS疲れと言われているものも、その義務感と似ているかもしれません。
携帯電話があることで、私たちは幸福になったのか?
それとも不幸になったのか?

本の中では、著者の佐倉さんが科学技術に関わる人などと対談して感じたことを書いています。
「便利」さとどう付き合っていけばいいのか。
そのテーマについていろいろな角度から問題提起がされています。
そして、一つの区切れ目として3.11のことに触れられています。
あの震災で、とにかく生きていればいい、家族や大切な人がいてくれればいい、
そういうことを思い知らされたような気がします。
「便利」さとは全く関係のない価値観。
それから、「便利」さを支えていた原発の危険性が取り沙汰されました。
「便利」というのは、ある意味で危険と隣合わせだったのかもしれませんね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 趣味の本。
感想投稿日 : 2013年8月25日
読了日 : 2013年8月25日
本棚登録日 : 2013年5月31日

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