◯笑シリーズの長いバージョンと考えれば腹も立たないが、やはり扱っている物が物だけによろしくない。
この題材ではふざけちゃいけない。
それとは別に、ストーリーとは離れた部分で私が受け入れ難いのは二点。
一つは、自分の代わりに大変なお願いごとをして人様に捜索してもらっている最中にビールを注文するという非常識さ。(まあ、小説内の登場人物のモラルに腹立てても仕方ないのだけれど)
もう一つは、ある人が語る「幸せのおこぼれ」云々のセリフ。(p377)
この立場の人がこんな風に考えるだろうか?
しかも二ヶ月しか経っていないのに。
丁度他の作家さんの他の作品でこれと似たような立場の人のことが書かれているのを読んだばかりの私には、こちらの東野氏の作品のセリフは嘘くさい綺麗事に感じてしまった。
(ちなみにあちらの女性の作家さんの作品では、こういうことは一生かかっても片付かないことだと書かれていた。きっとその通りだと思うのだ。優しい目線で書かれていた)
せっかく「祈りの幕が…」で我が子を思う深くて強い親の気持ちを書いた同じ人の書いたセリフとは俄かに信じ難い。
東野氏は、震災の時の過剰な自粛に物申したかったようだが、千晶の決断とセリフ(p394)は間違っていないと思うが、この立場の人物にこのセリフ(p377)を言わせるとはがっかり。
それくらい、私はこの人物のセリフに違和感を感じた。
ああ、我ながら全く妙なところでひっかかってしまったものだ。
ストーリーの軸は決してつまらないものではなかったんだけどなあ。
シリアスなテーマは思いっきりシリアスに迫って欲しかっただけなんだけどなあ。
- 感想投稿日 : 2013年12月11日
- 読了日 : 2013年12月11日
- 本棚登録日 : 2013年12月11日
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