セレモニー黒真珠 (ダ・ヴィンチブックス)

著者 :
  • メディアファクトリー (2009年3月25日発売)
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感想 : 199
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初めての作家さん。良かった。

葬儀屋さんが主人公だなんて珍しく、多分他人様より個人的に葬儀屋さんにとても感謝しているという身としてとても興味を持ったので読みたくなった。

数年前に込み入った事情を色々抱えた葬儀をこちらからお願いに行った先の葬儀社。
その時の担当者に本当にお世話になった。
最終的なお礼にうかがった時、相手の職種が職種なだけに、「今後ともまたよろしくお願いしますとは言ってはいけないけれど、でもその時は…」と挨拶してきた。

そして今年がまた「その時」となった。
その担当者が今も在籍してくれていることを祈りつつ夫が連絡をしたところ電話に出たのが彼で、あちらも覚えていてくれた。
そしてすぐに駆けつけてくれて、また今回も本当に素晴らしい対応をしてくれた。
前回も今回も、葬儀のことなんて何もわからない私達夫婦が取り仕切らねばならず、彼は全く押し付けがましくなく、控え目で穏やかで柔和な物腰で最初から最後までずっとそばに居て、アドバイスや世話をしてくれた。

突然呼ばれて一旦関わったら、そこからずっと拘束され、深夜に駆けつけて翌日またすぐに来てくれる。
一体彼は自宅に何時間戻れるのだろう?休暇は取れるのだろうか?と心配になった。(友引の日でも、葬儀が無いだけで彼にはやることは沢山ある)

友人知人に「葬儀屋さんなら、良い所の良い担当者を紹介できるよ」とお勧めしたいところだけれど、それもまた憚られる。
でも人生で例えおめでたい結婚式場にお世話になることがなかったとしても、誰しも葬儀屋さんには必ずお世話になるわけで、欠かせないお仕事なのだ。
そこにスポットライトを当てたこの小説はなかなか面白かった。

ただし私はこのイラストは無い方が良かったと思う。(三浦しをん氏の「政と源」も同じようなイラストだったが、どちらも描かれている人物像を自分でイメージしているので、こういうタイプのイラストが入るとちょっと邪魔になる)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説・物語 (時代小説はこちら)
感想投稿日 : 2013年12月19日
読了日 : 2013年12月19日
本棚登録日 : 2013年12月19日

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