自己評価の心理学: なぜあの人は自分に自信があるのか

  • 紀伊國屋書店 (2000年9月1日発売)
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本棚登録 : 498
感想 : 30
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 一言で感想を書くのがすごい難しい本でした。隅から隅まで頷けることばかりで――欲しいな、この本。繰り返し読みたいです。クリスマスまでこの気持ちが続いていたら、買おう……かな。
 影響力が強すぎて、どんなことでも『自己評価』という軸でものごとを考えてしまいそうで怖い。っていうか、今ちょっとそうなりかけている。人を批判する人を見ると、この人はこれで自分の自己評価を上げているのかな、とか。人からけなされても動じない人、他人の意見を排しても自分の意見を主張する人を見ると、この人の自己評価は高いんだろうな、高くて安定かな不安定かな、と考えてしまう。

 とはいえ、この本のお陰で、自分が今持っている価値観を疑うということを覚えたので、ある意味契機になりえる本だったなぁと思います。
 まわりの目を気にしているということは、まわりの人に注意を向けているのではなく、自分に注意を向けているだけなのだなーとか。

 自己価値観が下がると女性は男性に口説かれやすくなるというのはちょっと笑えましたが。ほんのちょっとした出来事も、自己価値観という概念にするっと結びつけられるというその論法はすごい。
 もともとこの人の文章が好きで、内容がよければいうことはないけど文章の並びを見るだけでも楽しめるので、うん、いい本だったなと。

 自己価値観という尺度で自分を見直す生活は、きっとまだ続くでしょう。
 さしあたって――私の集中力のなさは、自己価値観のなさによる無力感が関係しているようなので、自分はできると暗示をかけると作業の進捗がよくなる(じっさいよくなっていると思う)のは、不思議な話だと思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 5 技術・工学・工業
感想投稿日 : 2008年10月19日
読了日 : 2008年10月19日
本棚登録日 : 2008年10月19日

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