今、乱世であると思う…いや乱世でない世があったろうか?
…と思いを馳せたとき、古典・経典の読み継がれる意味が、
ことさら感じられ手にした一冊だった。
まさに「論語」成立の過程を臨場感あふれる筆致で描くような小説。
いつの世も、人は悩み、惑い、糧となる指針を欲するものだろう。
終盤、本書では、こう語る…
ー人が自分の力で、世の中を動かしたとか、動かそうなどと考えるのは、とんでもないことで、大きい天命の動きの下で、それを応援させて貰ったり、それに逆らって、闘わせて貰ったりする。ただ、それだけの話であります。
それは、諦念だろうか? 違うと思う。
どんな世にあろうと、人は、希望を持つものと思う。
終盤…こんな言葉が置かれていた…
ー子は人間というものの将来を、いつも明るく、ごらんになっておられました。人間というものは、自分たちの種族を絶滅させるほど、それほど愚かではない。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2014年3月31日
- 読了日 : 2014年3月31日
- 本棚登録日 : 2014年3月31日
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