奇妙な読後感が残る本だった。読んでいる間もずっと違和感が拭えず、最後の一文にも引っかかるものを感じる。きっと、自然の摂理としてではなく人工的に男女を結びつけ、子どもを増やそうとしているからなのだろう。「アカガミ」制度では、人生に伴う衣食住、とくに食と住においては当事者の手が煩わされることなく、すべて滞り無く用意されている。しかしそのようなうまい話があるわけが無く、疑念と共に読み進めたためか、不穏な空気が作品中に漂っているかのようだった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
国内の小説
- 感想投稿日 : 2016年8月29日
- 読了日 : 2016年8月29日
- 本棚登録日 : 2016年8月29日
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