早雲の軍配者

著者 :
  • 中央公論新社 (2010年2月1日発売)
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感想 : 178
4

軍配者シリーズ、第1弾。
図書館の棚で、前から気になっていたシリーズなのだが、
どうしても第1弾がやってこず。
このたび、よーやくお目見えしたので手に取る。やった~!

表紙がかっこいい。
のぼうの城、あたりから、こーゆー時代ものも表紙を
イラストにしてくるの多いな。若い読者層を開拓したいのか。
若い、かどうかはともかくとして、とりあえず、私は好きだ。

小太郎、とゆーから、なんかきいたことある名だなーっと思っていたのだが、最終的に風摩小太郎、となったので、それはあの有名な!!という気分。

軍配者、という言葉自体が新鮮だった。
そして、それを養成する学校がある、というのも。
足利学校かあ。
いろいろフィクションも入っているのだろうが、
時代背景だとかは事実を元にしているよう。

仁者として描かれている宗瑞さんが魅力的。
自らが培ってきた豊かで平和で秩序ある国を後々まで守るため、闘うための力を残そうと、小太郎を見いだす。
韮山は比較的平和なのだけれど、それ以外の地での
生きるためには手段は選ばぬわ~っというとこがコワかった。いやーよく考えると、結構日本もグロイな。

各章ごとの冒頭に、ちょいと説明っぽい文があって、
その後、各場面へと話が動いていく。
正直、どこの氏族とどこの氏族が敵対してて、
どことどこが同盟を組んでて、とか、把握しきれてない感はありつつも、小太郎の目線でもって、おもしろく読めた。
山本勘助は有名どころなので、おおっ、でてきたーって感じ。この人は、信玄の軍配者に、なるんだよな。
学校の設定は楽しいのだけれど、展開としては結構淡々としてて、学園青春もの的なキラキラ感はあまりない。
単なる3人の出会いの場、という感じ。
まあ、それでも、後の軍配者たる3人にとってはまさしく青春時代、といえるのかもしれないが・・・。

終盤の冬ノ介の軍配っぷりはさすが。
いやー殿様首とられないでよかったなー。
そして、最後の一文、3人が血みどろの死闘を繰り広げることになる、にギくっとする。
そうだよな、なんだかんだいって、3人が3人敵対する家に仕えるわけで、殺すか、殺されるか、の関係になるんだよなあー。いやーあなおそろしや、な戦国時代。
これから先を、読みたいような、読みたくないような。
ああ、でもやっぱ、読む!!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2014 年 2月3月4月読んだ本
感想投稿日 : 2014年4月6日
読了日 : 2014年4月6日
本棚登録日 : 2014年4月6日

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