ずっしり、あんこ(おいしい文藝)

  • 河出書房新社 (2018年10月20日発売)
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感想 : 34
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ひさびさに図書館へ。
あまりに美味しそうな題名と表紙に思わずてにとる。
あんこをめぐるえとせとら。
いろーんなひとのあんこにまつわるお話がはいっているので一話一話ゆっくり読んでいこうと思っていたのだが、面白くて最後まで読んでしまった。

あらこんなひとも書いてるんだ、とゆーのがあっておもしろい。
上野さんだとか手塚治虫さんだとか。

かーなり素敵だったのは幸田さんだ。淡い初恋の思い出話のお返しに淡い鴇色の和菓子を送ろうと思いつくなど粋すぎる!そして露伴さんの動かないことば、ということばに感動。

粋といえば、たい焼きのしっぽまであんをいれてたお店の小父さんにえらいなあっと声をかけたところから始まるひと騒動(?)がとても面白かった。安藤鶴夫とゆー人、演劇評論家、作家と紹介あり。作品読んでみたいものだ。

あと小島さんのひたすら鶴屋というお店のお菓子を絶賛してるのが、めっちゃ食べたくなってこまる。

そしてあんこといえばなぜか誰もが話題にするこしあんVSつぶあんのたたかいかここでもされてておかしかった。
ちなみに私はつぶあんが好きだが、こしあんの上品な味わいもやっぱり好きである。
話の並びも考えて構成されてるんだなあっと。
できれば目次通りに読んだ方がおもしろいかも。

甘いもののお話しだから総じて幸福感漂っているのだが、
増田れい子さんのお話はちょっとせつなかった。
商売物だからといって、自分が焼く今川焼きを口にしなかったおばあさん。
たったひとり残った息子を戦争で失った女性の哀しみが胸をつく。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 2018年8月〜2019年1月読んだ本
感想投稿日 : 2018年8月29日
本棚登録日 : 2018年8月29日

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