この本、知ってたらもっと早く読みたかった!女性ジャズピアニストが、戦火のベルリンに留学していたピアニストの祖母の足跡を辿る話。タイムトラベルやら幻視やらあってついていけない部分も多かったが、おもしろかった。「シューマンの指」でこの人の音楽描写はすごいなぁと思っていたけど、こちらはジャズも出てくる!あれこれ聴きたくなる。
語りのメインをなしているヒロインのジャズピアニストの意識の流れというのか、ボヤキ(笑)がものすごく現実的で生活感にまみれているのが、神秘主義だの幻視だのとくっきりコントラストをなしているのがいい。
もっと早く読みたかったというのは、この中に出てくる「フォギーズ・ムード」という曲を山下洋輔が実際に作曲、著者の公式サイトで聴ける…という話だが現在はリンク切れしてるのが残念でならない。
この小説における「現代」は、それほど昔でもないのに(90年代かな?)、インターネットもケータイもない時代で、それもまた新鮮だった。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年4月24日
- 読了日 : 2015年4月24日
- 本棚登録日 : 2015年4月24日
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