プロローグを読んでいたら、胸の内にあらわれた黒い空洞。それはずっとあったのに、見ることを避けて過ごしてきただけだったのかもしれない。思いと言葉を繋げられず、ただ歩き回ることしかできなかった夜を思い出した。(←半分読了時の感想) (全編読了後の感想→)過去と現実と追憶と書籍の間に自分がいるような感覚。読み終えて、予感が確信に変わりました。同じ時代を生きる作家の作品を読むこと・読めることの醍醐味。心も体もたかぶっています。言葉が瓦礫になり、言葉を失った著者が、おそらく命がけで紡ぎだした言葉。その言葉と同等か、それ以上に見る者を捕らえて離さない多くの写真。尋常でない私小説に出逢えたことに、感謝、感謝。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
その他
- 感想投稿日 : 2014年4月27日
- 読了日 : 2014年4月27日
- 本棚登録日 : 2014年4月27日
みんなの感想をみる