大人のための残酷童話 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1998年7月29日発売)
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本棚登録 : 1166
感想 : 114
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毒が凄い。今のグリム童話や日本昔話も元々の毒がマイルドになっていますが、原作より悪意と婬靡さがありました。
倉橋由美子さんはこうでなくちゃ!みたいなのがあるので楽しく読みました。各話終わりの教訓一文も好き。「愚かな人間が幸福になることはありません」。
原作には日本昔話やグリム童話、アンデルセン童話などの童話も、ギリシャ神話も。
でもこれは童話では無くあれでは…と思ってたら、谷崎潤一郎「春琴抄」やカフカ「変身」、中島敦「名人伝」もありました。この辺りは既読だったのでわかりましたが、森鷗外「父と妹」や今昔物語集まで。幅広いです。
「子供たちが豚殺しを真似した話」、存在を知ってからグリム童話で一番ウッ…となるお話です。どうやってもマイルドにならない。何故グリム童話になっているのか謎です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2022年11月13日
読了日 : 2022年11月13日
本棚登録日 : 2016年12月3日

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