ホテル・アイリス (幻冬舎文庫 お 2-1)

著者 :
  • 幻冬舎 (1998年8月25日発売)
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本棚登録 : 2072
感想 : 174
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再読です。淫らで執拗な性愛の世界に浸りました。主人公のマリという少女と、醜い老人である翻訳家の間にあったものは、わたしの思っていたSMという形では言い表せない気がします。ホテル・アイリスのある港町の白っぽい渇いた光と、島での夢の中のようなひととき。仕える肉体は、醜ければ醜いほどいい、というマリの境地には辿り着けませんが。マリをとりまく人々は、翻訳家の甥以外は関わりたくない人々でした。マリがいつか、自由になれたらいいなと思います。小川洋子さんにかかると、官能的なお話もこんなにひっそりしたお話になるのだなと思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2017年11月10日
読了日 : 2017年11月10日
本棚登録日 : 2017年4月16日

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