書かれているのは、黒田官兵衛が小寺家の若家老だった頃から、三木合戦終了後までである。したがって、本能寺の変から秀吉が天下を取るまでや、九州での活動については書かれていない。
つまり、黒田官兵衛の生涯を概観したものにはなっておらず、少々物足りないかもしれない。
前半は小寺家での苦労、後半は幽閉されてからの苦労が書かれているが、これは当時の吉川が置かれていた状況を反映しているのかもしれない。
前半の小寺家でのエピソードは、時流を読めない無能なトップのもとでは、下にいる自己本位で動き、結果として組織を滅ぼすこと、後半の官兵衛救出のエピソードでは、有能なトップのいる組織では下にいる人間も1つの目標のもとに動き、結果、大きな成果をあげることが読み取れる。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年12月28日
- 読了日 : 2020年12月28日
- 本棚登録日 : 2020年12月28日
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