真田太平記(六)家康東下 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1987年11月30日発売)
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感想 : 81
5

関ヶ原前夜。というよりも、実質的に「関ヶ原」は始まっている。さらに言えば、この時点で西軍は既に負けているということが、本巻の終盤から読み取れる。原因は、言うまでもなく石田三成その人のパーソナリティにある。

本巻は関ヶ原本戦前夜の話が中心なので、所謂「犬伏の別れ」ももちろん出てくる。ただ、真田家の今後を左右する重要な出来事であるにも関わらず、割とあっさり書かれている。おそらく、昌幸・幸村と信幸とも意を固めていて、犬伏はそれを確認する場に過ぎないという池波の意図があるのだろう。

あくまでも物語からだが、徳川家康という人物は相当な勝負師である。もっとも、稀代の勝負師だからこそ、江戸幕府を築くことができたのだろうが。

家康と三成との差は勝負師であったかどうかだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 趣味
感想投稿日 : 2020年1月26日
読了日 : 2020年1月26日
本棚登録日 : 2020年1月26日

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