<目次>
はじめに
第1章 まるで幼児教室⁈な授業
第2章 他者とかかわり自己を知る
第3章 教科の枠を超えて学ぶ
第4章 意味は後からわかる
おわりに
<内容>
超有名私学の中高校でおこなわれている教科外の授業(といったほうがいいか)。それを各中高校一つずつ取り上げている。灘中高の数学的折り紙の授業、聖光学院中高校のレゴブロックを用いた数学の授業、何よりも面白かったのは奈良の東大寺学園中高校の「読書」の授業だ。教師の力量が問われる内容だが、年間で数冊の本を読みながら、どんどん教科の枠を超えて授業が展開する。
著者が「おわりに」で書いていたが、教科書「を」教えるのではない。ここに載る私立校(複数)がある歴史教科書を採用していることが報道されると(報道自体がおそらく学校への批判だったと思われる)、多くの批判の手紙などが送られたそうだが、私立校は一切めげることがなかった。それは上記の、『教科書「を」教えるのではなく、教科書「で」教える』ことが徹底しているからだ。生徒もそれについてくるし、ちゃんと批判的精神も学んでいる。公立学校はとても弱腰で、すぐに世論に負ける(教委の言い訳がいつも哀しい)。でも、私もそうだが、教科書をそのまま教えているわけではない。何が載っていても載っていなくても、教えるのは「事実」。その解釈は多様なものだということを教えれば、あとは後々でも生徒が自ら考えていく。そこだろう!
こうした私立校の教育はうらやましい(教える教師の力量には感嘆する)。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
教育
- 感想投稿日 : 2018年1月6日
- 読了日 : 2018年1月6日
- 本棚登録日 : 2017年11月16日
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