教科書に載った小説

  • ポプラ社 (2008年4月24日発売)
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本棚登録 : 385
感想 : 61
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 中高生向けの教科書に載っている小説、その他を佐藤雅彦氏が厳選して集まとめた本。
殆どは短編ですべて載せてあるけれど、長い話は教科書なので一部抜粋という形。
 昔は、教科書に載っている本なんて、何の興味もなかったけれど、最近、子どもの教科書を読んで、面白そうなものは、自分でも探して読んだりしていました。
 昔は国語が大の苦手だったので苦痛だったけれど、授業を離れて読んでみると、教科書って意外と面白い話が沢山あるんだな、と。
 今回は、この小説集を読んでみて、教科書に載るというくらいだから、これが掲載されている教科書を使っている学校では、当然、授業で読み深めたり、テストなどで何らかの問題が作られたりしたわけで、どんなところがどんな風に出題問題として出されたのかな、と想像しながら読みました。あとがきに書かれている佐藤氏の楽しみ方とはちょっと違う方向性ではあったけれど、楽しめました。

 名作12編、とありますが、この中で読んだことがあったものは、たった一つ。リヒターの『ベンチ』(『あの頃はフリードリヒがいた』より抜粋された話)のみでした。(確かに、この話は名作でとても面白かったです)

 著名な作家が目白押しですが、そのほとんどは、名前はもちろん知ってはいるけれど、自分から手に取って読んだことはない方々だったので、普段読まない話を読む機会を得ることが出来ました。
 私のお気に入りは、『出口入口』、『絵本』、『少年の夏』、そしてもちろん『ベンチ』でした。

とんかつ・・・・・・・三浦哲郎
出口入り口・・・・・・永井龍男
絵本・・・・・・・・・松下竜一
ある夜・・・・・・・・広津和郎
少年の夏・・・・・・・吉村 昭
形・・・・・・・・・・菊池 寛
良識派・・・・・・・・安部公房
父の列車・・・・・・・吉村 康
竹生島の老僧、水連のこと・・・古今著聞集
蝿・・・・・・・・・・横光利一
ベンチ・・・・・・・・リヒター
雛・・・・・・・・・・芥川龍之介

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2023年8月11日
読了日 : 2023年8月11日
本棚登録日 : 2023年8月8日

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