トップ・レフト ウォール街の鷲を撃て (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店 (2005年7月25日発売)
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本棚登録 : 770
感想 : 89
5

複数の銀行で巨額のローンを引き受けるシンジケートローンにまつわる話。重厚な金融小説。
外資系投資銀行=証券会社のえげつないまでのお金への執着と、それに紐づいたトレーダーへの報酬制度があり、一方で、日本の銀行は社内政治に明け暮れて、賃金も安いし、成功報酬もほとんどないし、海外と戦う力ないという悲しき感じ。
金融トレーダーとかスマートに見えて、結構ドロ臭い電話営業とかをこなさないといけないし、海外出張もしょっちゅうだし、当然言語の壁も超えないといけないし、突発的な作業もあるし、法律や海外政情にも詳しくないといけないしで、なかなか大変な世界なんだなというのが分かって面白かったです。なりたいとは思わない。
素人向けにも分かるように金融用語を使ってくれているので、普通の小説としても楽しめるはず。駆け引きにつぐ駆け引き、そして用意された伏線とどんでん返しもあります。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年3月17日
読了日 : 2021年3月17日
本棚登録日 : 2021年2月22日

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