物語自体は面白く、最後は結末がどうなるのか知りたくて一気に読み進めてしまった。言葉の選び方や歴史上の人物の引用も本当に面白い。
ただ、春が殺人をし、それを「悪いけど良いこと」とするのはどうしても納得がいかなかった。レイプはもちろん絶対に許せないことだし、そのレイプにより生を受けた春の苦悩は理解できる。
また、葛城はレイプを反省しておらず、最低な人間だ。
ただ、最低な人間で恨みがあるからといって殺していいのか?または、複数レイプをし、その時点で反省していない最低な人間であれば殺していいのか?
春のセリフの中で、「自分が犯した罪の程度には罰せられるべき」という内容があったが、葛城は殺人をしていない。そこにも矛盾がある。
最低な人間であっても、その親もいれば、友人もいるのだ。殺人をしていない人間を殺す(死刑になる)のは個人的にはどうしても納得がいかない。
家族愛のある面白い話だと思ったが、残念だった。
(葛城を殺しさえしなければ、共感できた)
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年10月20日
- 読了日 : 2020年10月20日
- 本棚登録日 : 2020年10月10日
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