ムーミンパパ海へいく (講談社文庫 や 16-7)

  • 講談社 (1980年7月15日発売)
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本棚登録 : 383
感想 : 31
4

休みたいとか、のんびりしたいとか、ついつい考えてしまうけれど、仕事しなくて良ければ幸せかと言うとそうじゃない。
それはムーミンパパも同じで、ムーミン谷の安定した生活の中で自分の仕事を見失い気力をなくしていた。
パパは父親として家族を守りたいのだ。
そしてすねたパパのために、ママはムーミントロールとちびのミイを連れてパパの島に引っ越すことに決めたのだった。

この物語は今まで読んだシリーズの中で1番詳しくムーミンパパとムーミンママの気持ちが描かれていたように思う。
2人ともとってもチャーミング。
子ども達ももちろん魅力的。
ムーミントロールはやっぱり夢見る夢子さんで、ミイはそれをニヤニヤ眺めて楽しんでいる。

暮らし慣れたムーミン谷を出て新しい生活を始める4人を見ていると、家族と暮らすということについてもっと自由に考えていいんだなと思う。
ムーミンパパは家族を守らなきゃと意気込んでいるけれど、本当はみんなが家族を守っている。
ムーミンママは家でみんなを待っていなきゃと思っているけれど、本当はもっと自由でいていい。

父親だから、母親だから、子どもだからという役割ではなく、ムーミンパパとして、ムーミンママとして、ムーミントロールとして、ちびのミイとして(ミイは常にミイだけど)、自由に暮らし始める姿はとても力強くて嬉しくなる。
肩がふわりと軽くなる、そんな物語。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2013年1月15日
読了日 : 2013年1月15日
本棚登録日 : 2013年1月15日

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