すごく好き。
まずタイトルが好き。
消えない会話ってなんだろう?
何が消えないんだろう?
とても気になってワクワクした。
淡い日常の中で交わされるたくさんの言葉は、それを口にした人とそれを耳にした人の中に少しずつ蓄積されていく。
例えば毎朝お決まりのように発する「おはようございます」でさえ、それを言った自分と言わなかった自分を決定的に隔てる重要な何かになるのではないか。
この本を読み終えてぼんやりとそんなことを考えている。
小説の中で交わされる言葉は、輪郭が曖昧で、温度は温めで、色はパステルカラーのように淡い。
シャボン玉みたいにふんわり生まれて、ふわふわ漂って、いつの間にかパチンと消えている。
でも消えたと思っていたその一言は、消えたのではなくて本当は吸収されたんですよ。
あなたの中に沁み込んでいったんです。
ふんわりと生まれた一言が、意識しないまま消えた一言が、あなたの目線や心の向きをちょっとだけ変えているんです。
その積み重ねが今のあなたです。
消えない会話ってそういうことかな?
そんな気がする。
山崎ナオコーラさんが書きたかったこととは違うかもしれないけれど。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年4月12日
- 読了日 : 2013年4月12日
- 本棚登録日 : 2013年4月11日
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