ソロモンの偽証: 第Ⅲ部 法廷 上巻 (新潮文庫)

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  • 新潮社 (2014年10月28日発売)
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いい子と悪い子の境界線はどこに引かれているのでしょうか。
友達に嘘をついてしまう。
宿題をやってこない。
買い食いする。
先生の言うことをきかない。
煙草を吸う。
飲酒する。
クラスメートをいじめる。
万引きする。
かつあげする。
殴る。蹴る。
いつからか「良い行い」と「悪い行い」の区別が刷り込まれていた。
「悪い行い」はしてはいけないと知っていた。
どうしてか?なんてあんまり深く考えなかった。
でも底の方には恐怖があったように思う。今もそれはこびりついている。
昔は怒られることが怖かったのかもしれない。
その後に自分がそれらの対象になることが怖くなって、それからさらに自分がその暗い闇のような世界に捕まるのが怖くなった。

悪い子は悪いことがしたくてするんだろうか?
違うんじゃないかと今は思う。
捕まってしまうんじゃないか。闇に。すっぽりと包まれて何も見えなくなってしまう。
自分の姿も周りも、逃げ道も。
どうしようもなくなっちゃうんじゃないか。

大出くんも井口くんも橋田くんも、三宅さんも、いつかの野田くんも。
悪い子だからじゃなくて、捕まってしまったから。
本当は助けを求めてて。必死で。
もしかしたらそういうことなんじゃないか。
子供も大人も変わりなくそうなんじゃないか。
じゃあ一度捕まってしまったらどう抜け出せばいい?
過去の悪い行いはなかったことには出来ない?
償いは出来る?救いはある?

この物語もあと1冊。学校内裁判ももうすぐ終わりでしょうか。
何があったのかが明らかになったら、これからの道も見えるようになるでしょうか?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年12月7日
読了日 : 2014年12月7日
本棚登録日 : 2014年12月7日

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